一枚板を検討するとき「使っているうちに割れてしまわないか」「反りやねじれが出ないか」と不安に感じる方もいらっしゃるとと思います。
一枚板は、木が本来持ってる木目や形を生かした家具です。その一方で、天然木である以上、乾燥や周囲の環境によって、割れや反りが生じることがあります。
では、乾燥した木材を選べば安心なのでしょうか?
塗装をすれば割れや反りを防げるのでしょうか?
この記事では、一枚板に割れや反りが起こる理由と、購入前に知っておきたいこと、そして垣本工房が品質を確認するために行ってる工程についてご紹介します。
1.一枚板は割れることがあるのか?
一枚板は、使用中や保管中に割れが生じることがあります。
木材は周囲の湿度などに応じて水分を吸収したり放出したりします。その変化に伴って木材が収縮・膨張するため、内部に生じる力や木目の方向、乾燥の状態などによって、割れが発生することがあります。
特に板の木口(木の繊維が切断されてる端の部分)は水分が移動しやすく、乾燥中に割れが生じやすい部分です。また、木目が複雑な部分や節、枝分かれした部分なども、木材の状態によっては注意が必要です。
ただし、節や複雑な木目があるから必ず割れる、というわけではありません。木の種類や個体差、乾燥状態など、さまざまな要因が関係します。
割れが起こる可能性を完全になくすことは難しいものの、木材の状態を確認し、適切に乾燥・加工・仕上げを行うことは、リスクを抑えるうえで大切です。

2.一枚板は反ることがあるのか?
一枚板には、反りやねじれが生じることもあります。
木材は水分の変化によって寸法が変わりますが、その変化は板全体で均一に起こるとは限りません。木目の方向や木材内部の状態、板の厚みや形状などによって、変形の仕方が異なるためです。
また、加工によって木材内部の力のバランスが変わり、それまで目立たなかった反りやねじれが現れることもあります。
そのため加工前の状態が良好であっても、加工後や設置後に変化が生じる可能性があります。
一枚板を選ぶ際は、見た目の美しさだけではく、板の状態や加工方法、仕上げ、使用する環境までを含めて考えることが大切です。
3.乾燥材なら、割れや反りは防げるのか?
乾燥は一枚板の品質を考えるうえで重要な工程です。
木材の水分が十分に下がり、使用する環境に適した状態になっていれば、乾燥が不十分な木材と比べて、使用後の大きな寸法変化を抑えやすくなります。
ただし、乾燥材であれば割れや反りが起こらない、というわけではありません。
木材は、加工後も周囲の湿度に応じて水分を吸収・放出します。また、木材内部に残っている応力や木目・形状などの影響によって、乾燥後に変形が現れる場合もあります。
つまり乾燥しているかどうかだけでなく、どのような状態まで乾燥しているのか、加工後の状態はどうか、どのような環境で使用するのか、といった点も重要です。
4.含水率を確認すれば安心なのか?
含水率は、木材にどの程度の水分が含まれているのかを示す数値です。一枚板の状態を判断するための重要な目安になります。
しかし、含水率の数値だけで、将来の割れや反りを正確に予測する事はできません。
測定する場所や木材の種類、測定器の設定などによって数値の見え方が変わることもあります。数値を確認する際には、木材の状態や測定条件もあわせて考える必要があります。
垣本工房の含水率確認
垣本工房では、加工前に含水率を測定しています。
さらに、加工後には板の寸法をそろえた状態で重量を測り、体積や重量、含水率の測定値をもとに、含水率計の全乾密度設定を調整・確認します。そのうえで、含水率を再測定し、木材の状態をできる限り正確に把握できるように努めています。
これは含水率計の数値をそのまま受け取るのではなく、実際の板の寸法や重量も考慮して確認するための工程です。
ただし、この確認によって、将来の割れや反りを完全に予測できるわけではありません。数値だけに頼らず、加工後の板の状態も確認することが大切だと考えています。
5.加工後に反りやねじれが出ることもある
木材は加工することで内部の力バランスが変化し、反りやねじれが現れる場合があります。
そのために加工前に状態を確認するだけでは十分とはいえません。加工後の状態を確認し、必要に応じて対応することも重要です。
垣本工房では加工後、塗装に入る直前にも反りやねじれを確認しています。
状態に応じて、再度平面を整えたり、ワイドベルトサンダーで仕上げ直したりします。一方で、変形が大きく、適切な商品に仕上げることが難しいと判断した場合には、無理に加工を進めない事もあります。
すべての木材を同じように加工すればよいわけではありません。一枚ごとの状態を確認しながら、どこまで加工するかを判断することも、品質を守るための必要な工程です。
6.塗装をすれば、割れや反りを防げるのか?
塗装には、木材と周囲の空気との間で起こる水分の移動を緩やかにする働きがあります。
そのため、適切に塗装することは、急激な水分変化を抑えるうえで役立ちます。
ただし塗装をすれば水分の移動が完全に止まるわけではありません。塗装後も木材は環境の影響を受けるため、割れや反りを完全に防ぐことはできません。
また塗装の種類や塗膜の厚み、塗装する面や木口の処理などによっても、保護の程度は異なります。
垣本工房が下塗り・中塗りを大切にしている理由
垣本工房では塗装の工程でも、下塗り・中塗りによって塗膜を積み重ねていくことを大切にしています。
表面を仕上げるだけでなく、木材と周囲の環境との間で起こる急激な水分変化をできる限り緩やかにすることも、仕上げ工程で意識している点です。
そのうえで最終的な表面の仕上がりを整えます。
もちろん、塗装だけですべての変形を防げるわけではありません。木材の状態を確認しながら加工し、適切に仕上げることを組み合わせて、品質を保つよう努めています。
7.一枚板を購入するときに確認しておきたいこと
一枚板を選ぶ際には、木目や色合いだけでなく、次のような点も確認しておくと安心です。
・乾燥状態をどのように確認しているか
含水率を測定しているか、木材の状態もあわせて確認しているかを聞いてみましょう
・加工後の状態を確認しているか
加工後の反りやねじれを確認し、必要に応じて調整しているかも大切なポイントです
・どのような塗装・仕上げを行っているか
塗装の種類や仕上げ方によって、見た目や日常のお手入れ方法が異なります
・使用環境について説明があるか
直射日光や空調、暖房などの影響を受けることがあるため、設置場所や日常の扱い方について確認しておくとよい でしょう
・割れや反りについて、どのような説明をしてるか
天然木の特性や、購入後に起こり得る変化について、事前に説明を受けておくことも大切です
これらを確認することで、購入後の変化について理解を深め、自分の暮らしに合った一枚板を選びやすくなります。
8.垣本工房が大切にしてること
垣本工房では、一枚板を単に削って塗装するのではなく、木材の状態を確認しながら加工を進めています。
加工前の含水率測定、加工後の寸法や重量を踏まえた確認、加工後の反りやねじれの検査。必要に応じた再加工や、適切な商品に仕上げることが難しい場合には加工を中止する判断も品質を守るための工程です。
また塗装を終えたら作業完了というわけではありません。完成後も、家具として不具合がないかを確認したうえで、お客様への納品やショールームへの展示を行っています。
こうした工程を重ねても、天然木の割れや反りを完全になくすことはできません。だからこそ、木材の性質を隠すのではなく、できる限り状態を把握し、適切に加工・仕上げを行うことを大切にしています。
一枚板は、一枚ごとに木目も表情も異なります。その個性を生かしながら、日々の暮らしの中で長く使っていただける家具に仕上げる、本物の一枚板をもっと身近に。それが垣本工房の目指すものです。
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